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第一課 新学期
前文
冬休みが終わり、いよいよ新学期が始まりました。今日は暇なので、王さんは留学生の山崎さんを訪ねました。山崎さんはとても親切な人で、友達が来る時には、いつも部屋をきれいに掃除しておいたり、お菓子を買ってきておいたりします。
彼の部屋は広く、棚の上には家族の写真が飾ってあり、サイドボードの中には、誕生日に友達からもらったグラスセットが置いてあります。壁には、地理の勉強のための中国地図が貼ってあります。
久しぶりに会ったので、二人で楽しく食事をしました。王さんは手が滑って、コップを一つ割ってしまいましたが、さいわい、けがはしませんでした。
会話
(留学生寮で)
王:(チャイムをならして)ごめんください。
山崎:どなたですか。
王:王です。
山崎:やあ、王さん、いらっしゃい。どうぞお入りください。
王:おじゃまします。靴をはいたまま入ってもいいですか。
山崎:はい、かまいません。
王:山崎さん、お久しぶりですね。お元気ですか。
山崎:ええ、おかげさまで元気です。王さんは。
王:私も元気です。冬休みはどうでしたか。
山崎:上海から高速電車に乗って北京へ行きました。とても楽しかったですよ。いよいよ、新学期が始まりますから、また忙しくなりますね。
王:そうですね。山崎さんは新学期の準備をしましたか。
山崎:ええ、教科書の学習内容を少し予習しておきました。
王:山崎さんはほんとうに勉強家ですね。留学センターではあした新学期の会議があるようです。
山崎:そうですか。どんな準備がしてありますか。
王:センターの入口には告知板が立ててあります。会議室には椅子がたくさん並べてあります。そして壇の上には大きな机が置いてありますよ。
山崎:そうですか。告知板には何が書いてありますか。
王:はっきり覚えていませんけれど、内容がちょっと長いようです。
山崎:そうですか。あとで電話で聞いておきましょう。
王:ところで、お部屋がきれいに掃除してありますね。
山崎:今日は特に丁寧に掃除したんです。ふだんはそれほど丁寧にしません。
王:それはどうも恐れ入ります。友達が来る時はいつもこう片づけるのですか。
山崎:ええ、いつも掃除をしておきます。テーブルの上に花を飾っておきます。また、お湯を沸かしておいたり、お菓子を買ってきておいたりします。
王:そうですか。棚の上に飾ってある写真は何ですか。
山崎:あれは私の家族の写真です。
王:サイドボードの中に置いてあるグラスセットは中国の物ですか。
山崎:はい、誕生日に友達からもらったものです。
王:壁に貼ってあるのは中国地図ですね。
山崎:ええ、中国の地理を勉強するために貼ったんです。
王:本棚に並べてある本は何ですか。
山崎:どれですか。
王:あれです。
山崎:ああ、あれですか。あれは中国の現代小説です。
王:そうですか。このごろ、中国の小説を読んでいるんですか。
山崎:はい、レポートを書くために一冊の小説をすこしずつ読んでいます。
王:もう読んでしまいましたか。
山崎:いや、この小説はちょっと長いです。それにちょっと名前が難しいですね。読んでいると、だれがだれだかぜんぜん分からなくなります。
王:私はいい方法を知っています。小説に出てくる人の名前を書いておいて、だれがだれだか、チェックしながら読むんです。そうすれば、きっとよく分かるようになります。
山崎:それはいい考えですね。私もやってみましょう。では、そろそろ時間ですから食事の用意をしましょう。
王:はい、どうすればいいですか。
山崎:椅子を並べておいてください。それからお皿やコップ、おはしを並べておいてください。
王:あっ、すみません。
山崎:どうしました?
王:コップを割ってしまいました。
山崎:どうしたんですか。
王:手が滑ってしまったんです。
山崎:手はけがをしませんでしたか。
王:大丈夫です。ご心配なく。
山崎:じゃあ、一緒に楽しく食事をしましょう。
王:テレビをつけたままでよろしいですか。
山崎:はい、このあとすぐニュース番組ですから、しばらくそのままにしておいてください。
読解文 本間さんを訪ねる
久しぶりに留学生の本間さんを訪ねました。訪ねる前に彼に電話をしておきました。留学生寮は大学の近くにあります。彼の部屋のベランダには植木鉢がたくさん置いてあるのですぐわかりました。
本間さんの部屋は二つあります。一つの部屋には、テーブル、いす、戸だななどが置いてあります。戸だなには食器が入れてあります。窓にはカーテンがかけてあります。
いま、窓はしめてあります。天気のいい日にはこの窓から市内のテレビ塔が見えます。
もう一つの部屋には、ベッドや本だなが置いてあります。本だなには本がたくさん並べてあります。おもに中国の政治、経済、歴史の本ですが、小説も少しはいっています。
机の上にはペンや原稿用紙がいっぱい置いてあります。
本間さんはレポートを書いているようです。私は「大丈夫かい。先に勉強をした方がいいだろう。今日はすぐ帰るよ」と言いましたが、彼は「大丈夫だ。もうほとんどできている」と言って私を引き止め、勉強のことや留学生活のことなどを夢中になって話しました。